【リコリコ】千束の価値観 2

アニメ

 A1-Pictures制作のオリジナルアニメーション【リコリス・リコイル】の主人公【錦木千束】の生き方、価値観、考え方で印象に残ったものを以前【リコリコ】千里の価値観 1で書かせていただきました。
 今回はその続きです。毎日毎日、生きることに精一杯の方、何かのきっかけになれば幸いです。
 なお、一部ネタバレを含みますので、よければ本編視聴後にご覧いただければ幸いです。
 

四話より
「野暮なこと言わない。女子は甘いものに貪欲でいいのだ」
 四話は千束とたきなが街で買物をして、カフェでお茶して、水族館へ遊びに行く日常回メインのお話でしたが、その平和な日常にこそ千束の価値観が散りばめられていたと思います。
 千束がカフェで注文したのは、『フランボワーズ&ギリシャヨーグルト・リコッタダッチベイビーケイクとホールグレイハニーカームバターwithジンジャーチップス』という一度で覚えられないような名前からしてカロリーが高そうとたきなに言われる程のスイーツです。実物を見たことはありませんでしたが、作中に描かれたスイーツは実においしそうでした。男女限らず、甘いもの好きは一度は食べてみたくなると思います。
 好きな物には素直に貪欲に、千束らしさを感じました。そしてこう続きます。

「人間、一生で食べられる回数は決まってるんだよ。全ての食事は美味しく楽しく幸せであれ~」
 これはまさにその通りだなと思いました。実は物語において伏線になっています。そして一日三食、美味しく楽しく幸せだったらどんなに素敵なことでしょうか。それを誰かと共有できたら、なおのことだと思います。仮に一人でもそう思えたら素晴らしいことでしょう。豪華でなくても代わり映えがしなくても、質素なものでもご飯を食べられるというのは、当たり前の人にとっては当たり前でも、世界的にも歴史的にも幸せなことだと考えるきっかけになりました。
 対してたきなはリコリスとして余計な脂肪はデメリットと食事は栄養素を接種するくらいにしか考えていなかったのでしょう。千束は「そのぶん走る! その価値がこれにはあるよ」と美味しそうに食べていました。そんな中、後ろの席でフランス人夫婦がメニューの内容が解らず、店員さんを呼ぼうにも日本語でどう訊いたらいいか困っている様子の会話を聞いた千束は、立ち上がって流暢なフランス語で商品説明をします。この時の千束は、周囲の人も全て食事は美味しく楽しく幸せであってほしいという考えで動いたのでしょう。たきなはもちろん、偶然居合わせたフランス人夫婦も。
 たきなも糖質の塊と揶揄していましたが、一口食べて美味しいと感想を漏らします。このシーンでたきなは空を見上げ微笑み、一羽の鳥が前を飛ぶ鳥を追いかけるように羽ばたく描写が入ります。まるでたきなが千束を追いかけるようで印象に残っています。
 ただ一番印象に残ったのは、食事を美味しく楽しく幸せなことを感じられる千束の満面な笑顔でした。

四話より
「制服着てない時はリコリスじゃありませーん」
 たきなとの水族館デートにて、チンアナゴの真似をする千束。両手をまっすぐ上げてゆらゆら揺れる様子は目立ちますので、たきなからしたらリコリスとして目立つ行動は控えるよう苦言を呈します。
 千束は意も介さず、今はリコリスじゃないとマイペースを崩しません。オンとオフは切り替えて、仕事の時は仕事に最善を尽くし、遊びの時は全力で遊ぶ千束の姿は、たきなのように仕事最優先で生きてきたタイプにとって眩しく映ったかもしれません。

四話より
「気分が良くない。誰かの時間を奪うのは気分が良くない。そんだけだよ
「悪人にそんな気持ちにさせられるのはもっとムカつく。だから死なない程度にぶっ飛ばす」
 千束は特製の非殺傷弾で仕事をします。特殊な弾頭のせいで中距離戦において命中率が良くありません。それを補うのが千束の相手の服や筋肉の動きを見て射線と射撃タイミングを先読みし、銃弾を避ける戦闘スタイルです。近付けば確実に当たるとドヤ顔でたきなに自慢していましたが、千束にしかできない芸当です。
 殺人が許可されているリコリスの千束が殺人をしない理由が「誰かの時間を奪うのは気分が良くない」ということでした。「したいこと最優先」の千束らしい理由です。リコリスの仕事は綺麗な事ばかりではないでしょうが、例え悪人に対しても時間を奪いたくないという姿勢は千束の価値観の根幹を形作っていると思いました。
 殺さないだけなら、千束の実力ならDAに残っていたとしても可能だったでしょう。ですが会いたい人がいるということでDAから離れ、リコリスとして仕事を続けるも非殺傷を貫いています。
 その会いたい人の手掛かりは才能を持つ者を支援する【アラン機関】から贈られるフクロウのチャームのみで、十年探しても会えていません。

四話より
「自分の才能が何とかわかる?」
 たきながアラン機関のフクロウのチャームを見て、何の才能があるか千束に問い掛けましたが、千束自身は答えを持っていませんでした。たきなも聞き返されて「何かあるといいですけど」と返答します。
 視聴者目線で言えば、千束はマシンガン相手でも銃弾の軌道を見抜けて、たきなは正確無比な射撃の腕があって、どちらも才能と呼べそうですが二人にとっては違うのでしょう。きっと二人ともそれらは自らの努力で身につけたもので、生まれ持った才能とは違う認識だと思います。才能は周囲から見ていたらすぐ気がつきそうですが、自分だけでは意識できないのかもしれません。

四話より
「ありがとうって言いたいだけなんだけど」
 アラン機関の支援を受けていた千束は、その人に会ってお礼を伝えたいだけでした。
 その会いたい人とは、喫茶リコリコの客として訪れていた【吉松シンジ】でした。作中で不穏な動きをしている描写が時折あったのですが、ミカとも古い知り合いで、評価された千束の才能が【類い希なる殺しの天才】で、アラン機関として世界に届けねばならないと語られます。
 千束は知る由もないですが、周りの声と自分の意思、どちらを信じるのかは他人が決められることではないでしょう。

 

五話より
「私はね、人の命は奪いたくないんだ」
「私はリコリスだけど、誰かを助ける仕事をしたい」

 この五話の依頼者は自力で動けない車椅子に乗った老人【松下】の警護と観光案内ということでしたが、本当は裏で吉松が暗躍していました。さらに序盤で千束の心臓が人工心臓だと会話であっさり明かされました。たきなの「えっ」という反応が視聴者とリンクしたことでしょう。
 肝心の依頼は、松下の警護と観光案内は途中まで順調でしたが、松下を狙う暗殺者が現れます。プロの暗殺者と対峙する千束とたきなでしたが、千束の至近距離での非殺傷弾連射により制しました。そして松下から真の依頼は暗殺者への復讐で、暗殺者を殺してくれと迫ります。
 そんな松下に千束は答えます。人の命は奪いたくないと。その様子は吉松もモニターしていて驚いていたようです。類い希なる殺しの天才を見出だした吉松は何のために命を貰ったんだと問い詰めていました。
 ですが千束は全く違う解釈をしていたのです。命を貰ったからこそ、奪う側ではなく誰かを助けることで命を貰った意味を見出だしていました。フクロウのチャームをくれた人みたいに、と微笑む千束は殺さないことで貰った命に報いようとしているのかもしれません。
 リコリスは殺人が許可され、遂行されていますが、その本質は平和な日常を守ることです。それを脅かす犯罪者であっても、千束は世間的に悪人と言われる人であっても時間を奪うのは気分が良くないという考えが根底にあるので、誰も殺さずに誰かを助けて、平和な日常を守る仕事をしているのです。
 仕事である以上は大変な事や上手く行かない事もありますが、良い仕事をしたと気分良く胸を張りたいものです。

 

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引用元
🄫Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
【リコリス・リコイル】
アニメ公式サイト
https://lycoris-recoil.com/

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